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アクションプランとは

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの背景

1980年代以降、人に対する抗微生物薬の不適切な使用を背景として、薬剤耐性菌が世界的に増加しています。一方、新たな抗菌薬の開発は減少しています。さらに、動物における薬剤耐性菌は動物分野の治療効果を減弱させるほか、畜産物等を介して人に感染する可能性があります。これら薬剤耐性菌の問題は国際社会でも大きな課題となっています。

2015年5月の世界保健機関(WHO)総会では、薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国は2年以内に自国の行動計画を策定するよう要請されました。

また、同年6月のエルマウ・サミットではWHOの国際行動計画の策定を歓迎するとともに、人と動物等の保健衛生の一体的な推進(ワンヘルス・アプローチ)の強化と新薬などの研究開発に取り組むことを確認しています。

これを受け、わが国では2015年11月に「薬剤耐性(AMR)タスクフォース」を厚生労働省に設置し、同年12月、「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」の枠組みの下に、「薬剤耐性に関する検討調整会議」を設置しました。 そこで、関係省庁が議論及び調整を行い、2016年4月5日、我が国として初めての薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが決定されました。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの内容

WHOの「薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プラン」の5つの柱を参考に、関係省庁・関係機関等は2016年から2020年までの5年間に、ワンヘルス・アプローチの視野に立ち、 協働して集中的に取り組むべき対策をまとめました。日本は国際社会に対してAMR対策の主導力を発揮すべく、6つ目の項目として国際協力を加え、合計6つの分野に関する目標を設定しました。その各分野の「戦略」及び「具体的な取組」等を盛り込んだアクションプランが策定されました。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン

分野目標
普及啓発・教育 薬剤耐性に関する知識や理解を深め、専門職等への教育・研修を推進
動向調査・監視 薬剤耐性及び抗微生物剤の使用量を継続的に監視し、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握
感染予防・管理 適切な感染予防・管理の実践により、薬剤耐性微生物の拡大を阻止
抗微生物剤の適正使用 医療、畜水産等の分野における抗微生物剤の適正な使用を推進
研究開発・創薬 薬剤耐性の研究や、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進
国際協力 国際的視野で多分野と協働し、薬剤耐性対策を推進

成果指標として、人の抗微生物剤の使用量を減らすこと、主な微生物の薬剤耐性率を下げることに関する数値目標が設定されています。

本アクションプランに基づき効果的な対策を推進することにより、AMRの発生をできる限り抑えるとともに、薬剤耐性微生物による感染症のまん延を防止し、AMRに起因する感染症による疾病負荷のない世界の実現を目指します。

参照:

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
National Action Plan on Antimicrobial Resistance 2016-2020
平成28年4月5日 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議