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AMRとは

抗微生物薬は微生物が増えるのを抑えたり、壊したりする薬です。しかし、微生物も様々な手段を使って、薬から逃げ延びようとします。このように、微生物に対して薬が効かなくなることを、「薬剤耐性」と呼びます。

「薬剤耐性」は英語でAntimicrobial Resistanceといい、AMRと略されます。AMRの問題は細菌、ウイルス、寄生虫など幅広い範囲でみられますが、近年、細菌のAMRが注目されています。

細菌に使用する抗微生物薬を抗菌薬(抗生物質と呼ばれることもあります)といいます。抗菌薬が使用されると、抗菌薬の効く菌はいなくなり、AMRをもった細菌が生き残ります。その後、AMRをもった細菌は体内で増殖し、ヒトや動物、環境を通じて世間に広がります。抗菌薬の不適切な使用はこれを助長します。風邪など抗菌薬が効かない感染症には使用せず、本当に必要なときに限って使うことが大切です。

ペニシリンの発見者であるアレクサンダー・フレミングは、1945年に自身のノーベル賞受賞スピーチの中で既にAMRの問題を指摘していました。現在、彼の予測は現実のものとなっています。このままでは、細菌感染症に使用できる薬剤がなくなってしまいます。これに対し、世界保健機構(WHO)は2011年に"No action today, no cure tomorrow(今日動かなければ、明日の治療はない)"として、AMR問題を世界中で取り組むべき問題として取り上げました。

現在、未来に使える抗菌薬を残そうと、世界各国でAMRへの対策に取り組んでいます。